松福

幼い頃から大好きな味は、
やがて地域に愛される味へ。
親子でつなぐ温もりの1杯

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とろみのスープに旨みのチャーシュー!
余韻まで至福の豚骨ラーメン

まろやかな甘みのあるクリーミーな豚骨スープに、旨み溢れる自家製チャーシュー、そして麺には絶妙なバランスでスープが絡み、また必ず食べたい味になる。
地域の方々に愛されすぎているラーメンがあると聞いて訪れたのは、1981年創業のラーメン店「松福」です。

「小さな頃から、豚骨のにおいが少し苦手で。それで、そのことを知った父が、豚骨のにおいを抑えられるように研究して試作を重ねて、私がにおいを気にせず食べられるようにしてくれたんですよ。においは控えめなのに、ちゃんとしっかり豚骨ラーメンで、不思議ですよね(笑)私と同じように、においが苦手な方からも、この豚骨ラーメンは大好きと言っていただくことが多くて嬉しいです」と語るのは、2代目の松本義憲(まつもとよしのり)さん。

実際に食べてみると、本当にまろやかクリーミー!コクがありながらも、あっさりしていて何杯でも食べたくなります。より旨みを出すため豚バラにこだわってつくられている自家製チャーシューが6枚(厚みによっては7枚)のっているのも嬉しいポイントですね。クリーミーに仕上げられている理由のひとつとして、水を飲んだ後でも美味しさの余韻が心地よく残るようにという想いがあるそうで、ずっと愛され続けている理由が分かります。

また、ラーメン店ではあるのですが、カレーも根強い人気メニューです。多様な香辛料を活用し、ゼロからつくりあげたオリジナルカレーで、その特徴は、ほどよい甘さ。義憲さんの父であり創業者の松本義信(まつもとよしのぶ)さんが、まだ義憲さんが幼い頃に、小さな子どもでも食べられる甘さに調整して開発しました。「父が試作をして、子どもの私が食べて判断する。私がカレーの審査員でしたね(笑)」と微笑む義憲さん。

ラーメンもそうですが、子ども時代の義憲さんに喜んで食べてもらいたいという義信さんの愛情が、最大の隠し味となって美味しさを支えているのだなと感じます。

これからも、食べ続けたい。
それならば、道はひとつ。

学生のときからお店の手伝いをすることはあった義憲さんでしたが、「松福」を継ぐ意識はなかったそうです。税理士を目指し、高校は商業科、大学は経済学部を選んで学んでいました。
ところがある日、もうそろそろ「松福」を閉めようと考えていることを義信さんから告げられ、衝撃を受けます。「税理士になりたい。でも・・・松福のラーメンが食べられなくなるなんて考えられない・・・ラーメンが食べたい!松福のラーメンを自分でつくれるようになれば、これからも食べられる!ラーメンが食べたい!!と思いまして(笑)常連のお客様からも、店を続けてほしいという声をたくさんいただいたので、2代目として引き継いでいく道に進もうと思いました」こうして、大学卒業後の21歳のときから、「松福」に立ち続けている義憲さん。常連の方々がオーダーするメニューは基本的に頭に入っているため、義憲さんがすごく忙しそうなときは、あえて声をかけずに席に座り、いつものメニューが出てくるのを静かに待っている常連さんも多いそうです(笑)

昭和レトロ感が心地よい店内には、カウンターとテーブル席を設置。

どこか昭和レトロな空気感が漂う店内には、まさに懐かしの時代を想起させる電話機が設置されていますが、実は使用できない状態になっているので、電話が鳴ることはありません。それは電話機が古いからではなく、電話対応をしている間に麺が伸びてしまうからとのこと!目の前の1杯に情熱を込めて、全力で大切にされているのを感じます。そのため、「松福」のラーメンが食べたい場合は、とりあえずお店に飛び込んでみる1択です。まだスープがあるのか?今日はもう終わりなのか?そういうエキサイティング(?)なところも、魅力なのです。

なんとも懐かしい箸立てを発見!今ではもう見かけないスタイル(?)なので、箸立てを開けるのに苦戦する方も増えてきたそうです。

92歳の義信さんも現役!
父と息子で守る“この味”

色々とお話を伺っていたところ、なんと義信さんがご登場!92歳の現在も、義憲さんと一緒にお店を切り盛りされているとのこと。「仕事をしているという緊張感や、お客様とのコミュニケーションが健康の秘訣だと思いますね」と微笑む義憲さん。

「温度・湿度・骨の状態によってスープも変化するので、常に全く同じ味で仕上げるというのは非常に難しいことですが、スープの管理を徹底して、なるべくブレが少なくなるように細やかに調整しています。創業者である父の存在はとても大きくて、現在も色々と教わりますし、現在も修行中ですよ(笑)」と語ります。義信さんと一緒に働けることへの嬉しさが表情にもにじみ出ていて、とても温かな気持ちになりました。

義憲さん「そういえば、厨房のタイルはどうしてオレンジ色なの?」→義信さん「明るくてキレイで清潔感があるから」→義憲さん「えっ、それだったら白じゃなかと?(笑)」というやりとりも、微笑ましくて素敵でした♪

「これからやりたいこと・・・現在もこれからもやりたいことは同じで、やっぱりこの味を守っていくことです。たくさんのお客様に喜んでいただけて嬉しいですし、私自身も父がつくりあげたラーメンやカレーのファンなので、“この味がいい”の一言に尽きますね」幼い頃からの愛情と美味しさの記憶が強い想いとなり、地域に愛され続ける味をつないでいきます。

店名松福(しょうふく)
営業時間・定休日11:00〜14:00 ※スープがなくなり次第終了
定休日:月木
電話番号
住所鹿島市高津原1841
備考
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