ジャマイカ滞在中に出会った
美味しさと心地よさ。
レゲエにのって、地域とともに。
スコッチボネットが効く!
特製スパイスで、やみつき確定。
JR肥前鹿島駅から歩いて約5分、まるで別世界への抜け道のような細い通路に導かれて到着。店内へ入れば、ベンダー(ジャマイカの屋台)をイメージしたカウンターの奥に多様なお酒が並び、ゆったり流れるレゲエとともに、心地よい時間が始まります。


大人気の名物メニューは、ジャークチキンとヤードライス。「ジャークチキンは、鶏肉をスパイスに漬け込みじっくり焼き上げたジャマイカのソウルフードです。ジャマイカにはいくつものジャークチキン店がありますが、各店でそれぞれ独自のスパイス調合をしているので、味に違いが生まれます。ジャマイカ滞在中に様々なジャークチキンを食べ歩いて、その中で特に美味しいと感じたものに、さらにアレンジを加えて仕上げたのが、ヤードのジャークチキンです」と語るのは、店主の中尾太(なかおふとし)さん。なんと中尾さんは、ジャマイカで親しまれているスコッチボネットというトウガラシを市内の畑で育てていて、そのスコッチボネットの効いた特製スパイスが絶品の秘訣!なんです。柔らかな鶏肉にスパイスの辛味と旨味が融合して、やみつきになる美味しさが生み出されています。
また、佐賀市のご当地グルメであるシシリアンライス(ごはんの上に炒めたお肉と生野菜を盛り合わせてマヨネーズをかけた一品)とジャークチキンを融合させたヤードライスも、ここでしか味わえない大好評のオリジナルメニューです。

“ワゴンマン”は、ジャマイカへ。
町を歩けば、レゲエ三昧。
中尾さんとジャマイカを結びつけたもの、それはレゲエです。中学生の頃からレゲエに夢中になり、20歳のときには本格的にアーティスト活動を開始。佐賀市内のクラブを中心に、愛車のワゴンに乗って全国をまわり、レゲエの世界へのめり込んでいきました。当時は、ジャマイカのレゲエアーティストに“○○マン”というアーティスト名が多かったことで、いつの間にか“ワゴンマン”と呼ばれるように。日頃はハウスメーカーの現場監督として活躍しながらも、レゲエの本場でレゲエに没頭することへの想いは強くなるばかりでした。

そしてついに、中尾さんは決断します。滞在先は決めず、片道の航空券のみ、現地のパトワ語はまだ身につけていない状態のジェスチャー勝負で、いざジャマイカへ!「ジャマイカで娯楽と言えばレゲエなので、サウンド・システムと呼ばれる移動式の音響設備が、もう本当に至る所にあるんですよ。町中がレゲエで溢れていて、レゲエ三昧ですね。夢のような環境です(笑)」と振り返ります。それまでとは全く違う初めての暮らしで、慣れないことや戸惑うこともありましたが、そんなときは現地のジャパニーズレストランで相談にのってもらっていたとのこと。そういった心の拠り所となるようなお店の面影が、現在のお店の柔らかな雰囲気づくりにもつながっているのではないかと感じます。
「ジャマイカに半年ほど滞在し、ビザの関係で帰国することにはなりましたが、またしばらくしたら戻ってくることを前提に考えていました」そして再びジャマイカに旅立つための準備を整えていたとき、中尾さんに1つの連絡が入ります。

ジャマイカの空気感まで再現し、
心が軽やかにほどけていくような場所へ。
中学時代の同級生で野球部仲間だった友人が地元の鹿島に戻ってくることになり、連絡がありました。「ずっとアパレル関係で働いていた友人なので、鹿島でも衣類・雑貨のセレクトショップを続けるということで。それで、お店を開くために建物をまるごと1軒借りたから、何かしてみる?って言われたんですよ(笑)気軽な感じで急に誘うからビックリしましたが、すぐに面白そうって思いました(笑)」
そうして、“何か”を始めてみることにした中尾さん。飲食店運営は未経験でしたが、レゲエイベントで全国を飛びまわり、各地のクラブでドリンクづくりも身につけていたため、その経験を活かしてバーを開くことに決めました。そしてもちろん、いつも心に流れるのはレゲエ、思い浮かぶのはジャマイカの景色です。穏やかで楽しく柔らかなジャマイカの心地よさを体感してもらえる空間づくりを目指し、思い描いた構想をもとに、ほぼDIYで店内を仕上げていきました。ほぼDIYというのが驚きですが、やはりここでも以前のハウスメーカー現場監督時代の経験が活かされていて、本当に色々なことがつながっていると感じます。

続いて驚きなのが、店内の壁の印象的なアートも、中尾さんが描いているという事実!さらにその理由が、「壁の古さが気になって、どうしようかなぁと悩み、絵を描いたら壁の古さが分からなくなるかもしれないと思ったんですよね。それで初めて描いてみたところ、意外と上手くできたという感じです(笑)」・・・・ということで、まさかの壁の古さ対策!店内のDIYをきっかけとして絵画に挑戦した中尾さんですが、その壁アートを目にした方々から依頼があるほど好評です。



そしてひとつずつ丁寧に準備を進め、2018年10月ついにオープンを迎えます。同じくかつての野球部仲間で、中尾さんよりも先に加わっていたレザークラフト職人の友人も一緒に、3人で3店舗(洋服・バー・レザークラフト)の同時オープンでした。それぞれ個人経営ではあるものの、“太陽の光を浴びながら、3本の枝として伸びていけるように”という願いを込め、「Sunbranches(サンブランチーズ)」の屋号で活動しています。メンバー全員が共通してコーヒー好きなので、オープンの数年後には、建物の中にコーヒーショップも開店。来店客がチャイムを鳴らすと、そのとき近くにいるメンバーが出てきて対応するというシステムも、秘密のコーヒー店のような感じで面白いです。
また、中心商店街の賑わいづくりを目指した取り組みにも力を入れ、スカイロード・新町・さくら通りの有志によるイルミネーション企画を実施。コロナ禍では、歩道の使用許可をとり、スカイロード商店街の歩道にスカイテラスを設置する試みも行いました。「地域の方々がオープン当初からずっと応援してくださっていて、なんでもやってみたらいい!期待しとるけんね!と声をかけてくださり、それがとても心強いですね」と語ります。

「ジャマイカの料理を通じて、もっとたくさんの方々にジャマイカの魅力を感じていただきたいと思っています。スコッチボネットを育てているのも、そういう想いがあるからですね。あとはもちろん、どなたでもくつろげて落ち着いて過ごせるお店づくりを常に大切にしていきたいと思います。レゲエは僕にとって酸素なので、これからもずっと一緒です」自由に楽しく柔軟に、心地よいレゲエとともに、“ワゴンマン”の旅は続いていきます。

| 店名 | YAWD(ヤード) |
| 営業時間・定休日 | 20:00〜26:00 定休日:木曜 |
| 電話番号 | 080-4310-8585 |
| 住所 | 佐賀県鹿島市高津原4304−4 |
| 備考 |

