RACCO

二足の草鞋で大奮闘!
にわか一座の代表が開いたのは
わいわいわいな“呑める公民館”

目次

未経験で座長を経験し、
歳月を経て再び芸能の道へ。

鹿島の中心街、わいわい和やかな雰囲気に導かれて到着したのは、その名も「賑い処 わいわい♡わい」。鹿島では、鹿島の方言で人情芝居を演じるプロ劇団「かしまんにわか一座 賑い商 はっぴぃ♡かむかむ」の代表として知られるRACCO(らっこ)さん(いなばゆうこさん)が2024年11月に開業したお店です!今回は、長年にわたって地域のために尽力を続けるRACCOさんの活動について、改めてお話を伺いました。

高校時代に舞台を観て、劇団に入りたいという想いが芽生えたRACCOさん。短大を卒業後、情報誌の編集を経て、歴史型テーマパーク「嬉野温泉肥前夢街道」にプランナーとして入社。やりがいのある環境の中で活躍を続けていましたが、施設内に劇団「肥前座」ができると聞いて、舞台への想いが募るのを止められず、役者への転向願いを出したそうです。すると何と「肥前座」の初代座長を任されることとなり、若く未経験ながらも劇団員たちとの奮闘の日々が始まりました。そうして施設内で時代劇と大道芸を展開し、この間に南京玉すだれや日本舞踊なども身につけていきます。途中で結婚・出産を経験し、家業を継ぐために肥前夢街道を卒業。それから20年ほど、家業の水産加工業に打ち込みました。「ただ、芸能の道を続けたいという気持ちをどうしても捨てることができなかった。それで仲間たちと大道芸や踊りを始めて、高齢者施設・小児病棟などへの慰問活動を行っていました」とRACCOさん。地道に活動を続け、ついに「かしまんにわか一座 賑い商 はっぴぃ♡かむかむ」の結成に至ります。

また、地域の女性たちを集め、「賑いODORIKO ハマガール」の活動も開始。昭和歌謡を着物姿で踊るところが評判を呼び、佐賀県の観光プロモーションにも声がかかるようになるほどの人気ぶりです。

そしてそんなRACCOさんに、再び転機が訪れます。

空間との相性の良さに、
未知の領域への一歩を決断。

「もともとこの場所は小料理屋さんだったんですが、女将さんが引退されるということで、声をかけていただいたんです」40年近く小料理屋を営んでいた女将さんが、次にこの場所でお店をしてくれる方はいないかしら?と探しているのを知った常連のお客さんから、やってみませんか?と声をかけられたそうです。

飲食店を営むのは、もちろん初めてのRACCOさん。しばらく決断できずにいましたが、次のことに挑戦してみたい、次のステップに進むときではないかと感じるようになり、女将さんに会いにお店を訪れます。すると、その店内の空間が驚くほど心地よくリラックスでき、“この場所は私とすごくフィットしている”と直感的に思えたことで、ついに決意。ご家族の賛同・応援にも背中を押され、2024年9月から本格的に準備を始め、事業計画書の作成・融資の申し込み・営業許可関係の取得などに奔走し、11月のオープンを迎えました。

店内は、カウンター9席に小上がりが2つ。窓からの柔らかな光に包まれる小さな小上がりは「光の間」、裏側に建つ西牟田公民館の桜が映える広めの小上がりは「桜の間」と名付けられています。

たまごやさんのたまごやき・おとなのポテサラ・国産牛スジで煮込むおでん・里芋の煮つけ・ロールキャベツなどなど、すでに名物メニューが盛り沢山。「まずは私自身が食べたいもの、そして旬のもの、あとは子どもの頃につくってもらった思い出の美味しさがメニューの基本です。あっ、それと女将さんにお会いしたときに女将さんと目が合うと1品教えてもらえるシステムになっています(笑)」栄養士でもある娘の祐希さんと一緒に、喜んでもらえるメニューづくりに取り組む日々です。

「呑める公民館」をコンセプトに、
誰もが集いたくなる交流の場へ。

店名にある「わいわいわい」は、鹿島の方言で「すごく賑わっている様子」を意味するそうで、お店のコンセプトは「呑める公民館」。目指しているのは、世代を問わず老若男女、国籍も超えた異業種&異世代交流の場づくりです。

「初めてのことだらけで、どのくらいの量の仕込みをしておけばいいのかなど、手探り状態です。でも、お客様の笑顔で、寝不足も資金繰りの難しさも全て吹き飛びます!美味しかった、楽しかったの声ですごくやりがいを感じますし、お客様の笑顔を想像しながら料理をつくるんですね。つくる喜び、食べてもらう喜び、芸能以外でもこんなに喜びを感じられることがあるんだって知りました」と語ります。

RACCOの由来は、「楽(ラク)」と「子(コ)」で「楽しい子」。子ども心を忘れたくない、楽しく人生を生きるという意味が込められているそうです。「海外の方にも覚えてもらいやすいんです。ラッコって気軽に呼んでもらえると嬉しいですね。お腹で貝は割れないの?と言われることもあります(笑)」

現在は、芸能と飲食業の二足の草鞋を履きこなそうと大奮闘中。「パワーの源は、親・家族・地域への愛と感謝ですね。課題は・・・原価計算です(笑)」そやって笑うRACCOさんが本当に楽しそうで、たくさんの人が集まってくる理由が分かります。“何か面白そうだから”と言って、ふらりと立ち寄る方も多いとのこと。誰もが集いたくなる“呑める公民館”、わいわいわいな時間が流れていきます。

サガテレビで共演していたおほしんたろうさんのイラストと、お客様から寄せられたお祝いのお花
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